MDM（Mobile Device Management）は、企業や組織が所有するモバイルデバイスの管理を行うソリューションだ。MDMが対象とするのはスマートフォンやタブレット、PCなど幅広い。従業員個々が複数のデバイスを使用することも多く、企業規模が大きくなれば、管理すべきデバイスの数は数万に達することも珍しくない。人手に頼っていては、これらのデバイスを安全かつ効率的に管理することは難しい。

MDMはこれら大量のデバイスの位置情報把握やポリシー設定、アプリケーションアップデートの一括適用を可能にし、紛失時のリモートロックなどの操作を一元的に実行できる。MDM導入によって、最新状態のアプリケーションの利用による業務の効率化や、各種セキュリティ機能による安全なデバイス利用が可能になり、システム部門の運用負荷の低減も図れる。

MDMと近いものにMAM（MobileApplicationManagement）があるが、MDMが通常会社所有のデバイスを対象としているのに対し、MAMはBYODを対象とするケースが多い。このため、企業側の管理がデバイス全体に対して実施されるか、デバイス内のアプリケーションに対して行われるかの違いがある。しかし、MDMの中にはMAMやMCM（MobileContentsManagement）の機能を持っている製品も存在する。
（狐塚淳）