リターゲティング広告
自社サイトに訪問歴のあるユーザーに対して配信されるWeb広告を「リターゲティング広告(retargeting advertising, retargeting ads)」という。商品やサービスに興味・関心を持つユーザーにアプローチできるため、高いコンバージョン(CV)が期待できる。
リターゲティング広告を配信するためには、まず自社サイトのHTMLに広告配信事業者が提供するリターゲティング用のタグ(広告タグ)を設置する必要がある。ユーザーが広告タグを設置したページを訪問すると、Cookie(サードパーティーCookie)が付与される。Cookieによって保管されたユーザーのアクセスデータをもとにターゲットを絞り、興味や嗜好にあった広告を表示する。
[Webサイトを閲覧]→[Cookieを付与してユーザーを追跡]→[他サイト閲覧中に広告を表示]
リターゲティング広告は、ユーザーへ的確にアプローチできるメリットがある一方、広告配信の初期段階には向かないというデメリットもある。データの収集に時間がかかるため、新規ユーザーには効果的とはいえない。また、何度も同じ広告が表示されると不快感を持つユーザーもいるため、フリークエンシーキャップ(表示回数制限)をかけるなど、対策が必要だ。
個人情報保護の背景からCookie規制が強化され、ユーザーの行動を追跡するターゲティングが難しくなった。規制が進むなか、リターゲティング広告は機能しなくなる可能性が高い。企業では、自社で保有している顧客データ(ファーストパーティデータ)を収集し、ターゲティングに活用するなど、Cookieへの依存から脱却する施策が検討されている。
(青木逸美)