プロビジョニング
プロビジョニング(provisioning)は、「供給、準備、提供」といった意味を持つ「provision」に由来する言葉。IT分野では、ユーザーの需要を予測し、ネットワークの設備やシステムリソースなどを準備しておくこと。もともとは、通信事業者が回線設備などを準備し、ユーザーにネットワークを提供できるようにすることを指していた。また、プロビジョニングしたものを元の状態に戻すことは「デプロビジョニング」と呼ぶ。
プロビジョニングは提供するサービスによって、次のような種類がある。
「サーバープロビジョニング」
サーバーが運用できるようになるまでの作業全般。OSやソフトウェアの導入、各種システムの設定、サーバーの割り当てなど、サーバーリソースを供給。設定変更やシステム障害が発生した際の復旧作業も含まれる。
「ユーザープロビジョニング」
各種システムやアプリケーション、Webサイトにおけるユーザーアカウントの作成や保守、アクセス権限の指定、ソフトウェアの設定など、アカウントに関する一連の作業と管理。「アカウントプロビジョニング」や「IDプロビジョニング」と呼ばれることもある。
「サービスプロビジョニング」
インターネット接続事業者(ISP)が、ユーザーのために行う作業。メールやHTTPS、FTP、DNSサーバーの設定などで、インターネット回線の契約後に送られてくるメールアドレスやパスワードも含まれる。
近年、複数のストレージ機器をソフトウェアで仮想化して、一台のストレージと認識させる「シン・プロビジョニング」が普及している。ストレージを仮想化することで、空き容量を有効活用できるようになる。
(青木逸美)