RISC-V
RISC-V(リスクファイブ)とは、オープンソースのBSDライセンスの命令セットアーキテクチャ(ISA)のこと。2010年にカリフォルニア大学バークレー校で開発された。ライセンス料や契約が不要という特徴があり、低コストでのCPU開発が可能となった。「x86(エックス・ハチロク)」と「Arm(アーム)」に続く、プロセッサ業界第3の勢力として注目を集めている。
RISC-Vの大きな特長は、誰でも自由に改良・再配布が可能なオープンソースのアーキテクチャであることだ。これまで、ライセンス契約した限られたチップメーカーが開発・販売していたチップを誰もが作れるようになる。RISC-Vには、特定分野に絞った機能や仕組みをプロセッサに組込む「DomainSpecificArchitecture(ドメイン固有アーキテクチャ)」が取り入れられ、対象となる分野についての高速処理が可能である。また、モジュラー型アーキテクチャ方式を採用し、拡張性にも優れている。
RISC-Vを利用する際、注意しなければならないのは、まだサポート体制が整っていないことだ。比較的新しいアーキテクチャであることから、サポートに関する情報も少ない。トラブルに対応する知識や情報の蓄積が必要となる。
RISC-Vは現在、多くの企業や大学での研究・開発が進んでいるが、RISC-VベースのCPUを搭載した市販チップはまだ多くはない。今後、契約やライセンス料が障害となっていた企業が、CPU開発の分野に新たに参入し、消費者の選択肢が増えることが期待されている。
(青木逸美)