EMS(環境マネジメントシステム)
組織や事業者が運営・経営する中で、環境に関する方針や目標を自ら設定し、環境保全に関する取組を進めることを「環境管理」「環境マネジメント」と呼び、このための体制・手続きなどの仕組みを「環境マネジメントシステム」という。英語表記の「Environmental Management System」を略して「EMS」とも呼ばれる。
環境マネジメントシステムが有効な業種には、環境負担が大きい製造業や建築業が挙げられるが、それ以外の企業組織も対象となる。企業の運営では、電力や紙などを消費し、多少なりとも廃棄物を出すからだ。サステナビリティ重視の観点からも、多くの企業が取得する価値があるといえる。
EMSは計画を立て(Plan)、実行に移し(Do)、評価を受け(Check)、改善する(Act)という「PDCAサイクル」を繰り返すことが基本とされる。例えば、「温室効果ガスの排出量削減」という環境目標があった場合、排出量削減の数値目標や達成に向けての計画を設定し、自社製品が環境に与える影響を算定し、フィードバックを得ながら改善していく。
環境マネジメントシステムの国際認証規格である「ISO14001」は、企業活動における環境に悪影響を及ぼすリスクを分析し、リスクの低減や改善するための仕組みを構築するガイドラインにあたる。組織の自主的な環境への取り組みを支援する目的で策定された。
(青木逸美)