スマートシティ
AI(人工知能)や、あらゆるものがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)など、情報通信技術を活用して人々の暮らしを豊かにし、ビジネスの生産性を高める次世代の都市モデル。
スマートシティは、2010年前後より社会に浸透し始め、当初は地球温暖化などの環境問題やエネルギー産業の振興への取り組みを重視した「個別分野特化型」だった。近年は、家庭や会社、自動車などの生活基盤と、電力・ガスや電車・バスなどの社会基盤とを通信でつなぎ、あらゆる情報を集積・分析して、サービスの充実やエネルギー供給を効率化する「分野横断型」に移行している。情報通信技術の発達によって膨大なデータの分析が可能になり、エネルギー問題にとどまらない新たな都市開発の可能性を開いたといえる。
世界中の多くの都市がスマートシティ構想の実現に向けて動き出し、ISO(国際標準化機構)では、標準モデルを議論する専門委員会が設置されている。日本では国土交通省が中心となり、企業、大学、地方公共団体などの官民一体で構想実現に向けた取り組みが進められている。新型コロナウイルスと共存する「ニューノーマル」な社会を見据え、都市機能の効率化は、人の移動や接触を減らす効果も期待されている。
(青木逸美)